屋根のリフォームには、
- 屋根塗装
- 既存屋根の上に新しい屋根材を葺くカバー工法
- 屋根材の葺き替え
の3種類の方法があります。(陶器瓦以外の場合です)
戸建ての場合、屋根と床下のお手入れ具合によって、「家のモチ」が全く違います。
雨漏れのダメージは、
- 雨漏れによって木材が腐ってグズグズになる
- その腐った木材を白アリが食べてスカスカになる
など、耐震性もあっという間に吹き飛んでしまうほど大きなものです。
ですので、屋根のリフォームはとても重要!
とはいえ、ただリフォームをすればいいってものではありません。
どんなリフォーム方法で、どんな材料を使用するかをしっかり検討する必要があります。
この記事では、
- 屋根のリフォームをするときに、どんなリフォーム方法を選べばいいのか
- 選んだ方法の中で、どんな材料や施工方法を選べばいいのか
がわかるよう、屋根のリフォームをするときに知っていてほしい知識を全部まとめました。
ぜひ最後まで読んでくださいね。
















屋根リフォームの方法3種類と、その選び方
屋根のリフォームの方法をお伝えする前に、屋根の構造について少しお話します。
屋根の構造


まずは、図を見ながら屋根がどんな構造でできているのかを見ていきましょう。
上から順に、以下のような構造になっています。
- 屋根材(スレートや瓦など)
- 下葺き材(ルーフィング、防水紙ともいわれます)
- 野地板(下地合板、下地ベニヤともいわれます)
- 小屋組(屋根を支える骨組みを指します)
この構造をイメージしながらこれから先の記事を読むと、屋根リフォームの内容が理解しやすいですよ。
屋根のリフォーム3種類とその選びかた
屋根リフォームの方法は、
- 屋根塗装
- 既存屋根の上に新しい屋根材を葺くカバー工法
- 屋根材の葺き替え
の3種類があるとお伝えしました。
一部のスレートが割れてしまったので、「部分的に交換したい」などの補修内容は含んでいません。
既存屋根が陶器瓦の場合は塗装やカバー工法という選択肢がありません。陶器瓦は半永久的にもつ材料です。
ただ、陶器瓦でも風や地震などによってズレてしまうことや、割れてしまうこともありますので、その場合は補修工事が必要です。
また、瓦の下には瓦を留めるための「桟木」や「防水紙」がありますので、それらが傷んでいないかの点検も必要です。
セメント瓦の場合は表面の塗料が劣化してきますので、10年程度での塗装が必要になります。
屋根のリフォームは、築年数(前に葺き替えをしてからの年数)や、既存屋根の状態によって選べる方法が違ってきます。
- 築年数30年超え
- 屋根材がたくさん割れていたり、水が屋根材の下に入り込んでいる形跡がある
- 天井や小屋裏に雨漏れの形跡がある
これらに1つでも当てはまる場合は、屋根材の葺き替えをおすすめします。
なぜなら、屋根材の下には「防水紙」や「下地合板(ベニヤ)」があるのですが、それらの部分まで傷んでいる可能性が高く、塗装やカバー工法ではその傷んでいる部分の確認をすることができないからです。


屋根材の下がこんな状態になっているのに、屋根塗装とかカバー工法とか・・・、イヤですよね。
屋根リフォームで「カバー工法」や「塗装」をリフォーム会社にすすめられたときは、
- きちんと屋根の上を点検してくれたか
- 小屋裏に入って雨漏れの確認をしてくれたか
- その上で既存の屋根に問題がないことをきちんと説明してくれたか
が重要です!
点検もせずに、
「カバー工法で大丈夫ですよ」
「屋根は塗装で大丈夫ですよ」
なんていう会社は信用しないほうがいいです。
また、
屋根の塗装を2回以上している
この場合は、
- 屋根材の葺き替え
- 既存屋根の上に新しい屋根材を葺くカバー工法
のどちらかをおすすめします。
なぜ、3回以上の塗装はおすすめできないかをご説明しますね。
屋根の「毛細管現象」という言葉を聞いたことがありますか?
液体の表面張力によって、液体が細い空間の中に入り込もうとする現象です。
身近な例で言えば、コップに入った飲み物にストローを入れると、コップの水面よりもストローの中の水面の方が高くなりますよね。
それと同じで、スレートとスレートの隙間に、雨水が入り込もうとする現象のことを言います。
もともとスレート屋根の隙間は毛細管現象が起こらない程度の隙間が空いていますが、塗装をすることによって塗料の厚み分で少しずつ隙間が狭くなっていきます。
そうすると毛細管現象が起こってしまい、スレートの下に雨水が入り込みやすくなってしまいます。
さらにスレートの下に入り込んだ雨水が外に流れようとしても、スレートの隙間が狭くなっているので流れ出ることができず、スレート下に雨水が滞留し雨漏れにつながってしまうのです。
それを避けるための材料として「タスペーサー」というものもありますが、やはり隙間は少しずつ狭くなっていきますので、塗装は2回までが安全。
タスペーサーの画像
ちなみにこの毛細管現象は、スレート屋根だけでなく「瓦屋根」でも「金属屋根」でも起こる現象です。
それぞれの材料によって毛細管現象が起こらないための対策がありますので、リフォーム会社に、「毛細管現象についてどんな対策を考えているか」の確認を必ずしてください。
- 築年数30年超え
- 天井や小屋裏に雨漏れの形跡がある
- 屋根の塗装を2回以上している
に当てはまらない場合は、
- 屋根塗装
- 既存屋根の上に新しい屋根材を葺くカバー工法
のどちらかを選ぶことになるかと思いますが、次からそれぞれについてまとめていきますので、参考にして選んでくださいね。
屋根塗装・カバー工法・葺き替えを比較
まずはそれぞれの工法の特徴を一覧表で見ていきます。
工事の内容 | 屋根塗装 | カバー工法 | 葺き替え |
---|---|---|---|
費用の安さ | 50~100万 | 100~200万 | 150~250万 |
☆☆☆ | ☆☆ | ☆ | |
工事期間の短さ | 約1週間 | 約1.5週間 | 約2週間 |
☆☆☆ | ☆☆ | ☆ | |
安心感 | ☆ | ☆☆ | ☆☆☆ |
屋根の軽さ | 既存とほぼ同じ | 既存プラス新しい屋根材 | 新しい屋根材の重さ分 |
☆☆ | ☆ | ☆☆☆ |
費用については、選ぶ材料や屋根の面積によって大きく違ってきますので、参考程度に見てください。
次からそれぞれの工法について、説明していきます。
屋根塗装について
屋根塗装のメリットデメリット
メリット
- 費用が安い
- 工事期間が短い
デメリット
- 安心感が低い
- 次のメンテナンスまでの期間が短い
屋根塗装の見積内容注意点
- タスペーサーを使う予定があるか
- どんな塗料を使って施工するのか
- 屋根の上、小屋裏の点検をしたうえで、屋根塗装を選択したか
屋根塗装について、詳しい記事を用意しています。



屋根カバー工法
カバー工法のメリットデメリット
メリット
- 葺き替えよりは費用が安く、工事期間が短い
デメリット
- 既存屋根に新設屋根の重さが加わるので、現状より重くなる
- 葺き替えよりは安心感が低い
カバー工法の見積内容注意点
- どんな材料を使って施工するのか
- 屋根の上、小屋裏の点検をしたうえで、カバー工法を選択したか
屋根のカバー工法について、詳しい記事を用意しています。



屋根葺き替え
屋根葺き替えのメリットデメリット
メリット
- 安心感が高い
デメリット
- 費用が高い
- 工事期間が長い
屋根葺き替えの見積内容注意点
- どんな材料を使って施工するのか
- 屋根下地の上張りをする予定はあるか
屋根の葺き替えについて、詳しい記事を用意しています。



「通りすがりの屋根業者」には注意してください
「近くで屋根工事をしているから、ついでに近所の方の屋根を無料で点検しますよ」
と、業者さんが家に来たことはありませんか?
無料だからと点検してもらうと、
「今すぐ屋根をふき替えないと大変なことになる!」
「屋根のスレートが割れていました。これが写真です」
と、指摘をされることが多いですが、その後あらためてこちらで調査をするとなんでもなかったり、ほんのちょっと補修すれば大丈夫だったりということが、「本当にたくさん」あります。
もちろん、本当のことを言っている場合もありますし、善良な通りすがりの屋根業者もいるかとは思います。
でも!悪質な業者が多すぎます。
自分で割ったスレートを写真に撮る人もいますから。
そもそも、最近のスレートはアスベストが入っていないのであまり強くありません。
スニーカーなんかで屋根に上ったら「結構な確率で」割れます。
ですから、塗装工事などでやむなく屋根に上るときも、細心の注意を払って屋根の上を歩くのです。
それでもときどき割れてしまうので、補修をしたりするくらいですよ。
屋根のリフォームをするなら、あわせて検討したい工事項目
外壁塗装などの外壁リフォーム


屋根のリフォームをする場合は足場を組みますので、その足場を屋根リフォームのためだけでなく、外壁のリフォームにも使うと一石二鳥です。
屋根と外壁はメンテナンスの年数もだいたい同じくらいですので、外壁も一緒にリフォームすることをおすすめします。
雨どいの塗装や交換
屋根を塗装してきれいになると雨どいの汚れが目立ちますので、雨どいの塗装をおすすめします。
屋根を葺き替えたり、カバー工法でリフォームした場合は雨の流れかたが変わりますので、雨どいの交換をおすすめします。
トップライト(天窓)の検討
北側のキッチンや洗面所、窓のない廊下などに暗い空間はありませんか?
そんな空間にはトップライトをつけると、一気に明るくなります。
屋根の葺き替えやカバー工法のタイミングなら、簡単にトップライトの施工ができます。
ぜひ検討してみてください。
トップライトは南面につけると、とても室内が暑くなります。
太陽光発電
太陽光パネルを設置するのにも足場が必要ですので、よかったら検討してみてください。
屋根のリフォームについて最後に
家のメンテナンスの中で最も重要なのが、屋根と床下のメンテナンスです。
その大事な部分をどうリフォームするかは今後の「家のモチ」に大きく影響してきますので、リフォーム会社まかせにせずしっかりと内容を検討し、納得のいくリフォームをしてほしいと思います。
【屋根塗装】全知識!「メリット・デメリット」「見積内容注意点」など
【屋根のカバー工法】全知識!「メリット・デメリット」「見積内容注意点」など
【屋根葺き替え】全知識!「メリット・デメリット」「見積内容注意点」など
リフォームにおすすめの屋根材3選!スレート、アスファルトシングル、金属屋根から選びました
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