屋根の葺き替えはメリットだらけ。
費用や工期の面では、カバー工法や塗装など、他の屋根リフォームよりも劣りますが、それ以外の面ではメリットしかありません。
屋根の葺き替え最大のメリットは、安心感。
屋根材の下を完璧な状態にしてから、新しい屋根材が葺けるので、安心感が他の屋根リフォームと比べて別格。
リフォーム設計歴20年超えの筆者は、屋根の状態をよく見て雨漏れがないことを確認してからでないと、カバー工法はおすすめしません。
このように悩んでいる人は、ぜひ、記事を参考にしてくださいね。
また、「屋根の葺き替え」とひとことで言っても、
- どんな材料で拭き替えるのか、
- 屋根材の下の屋根下地はそのままなのか、
など、実際に屋根の葺き替え工事をする前に知っておいた方がいいことがたくさん。
実際、「屋根のことはよくわからないから」と業者任せの工法で施工した結果、その場しのぎの工事になってしまい、結局もう一度工事をやり直した現場も筆者はいくつか見ています。
「どんな工法で屋根を葺き替えるのか」
こまかいところまで、しっかり納得した上で、屋根の葺き替え工事を進めましょう!
ぜひ最後まで読んで、屋根の葺き替えについて理解を深めてくださいね。
これからリフォームをするすべての人に、読んでほしい記事はこちら。

屋根工事も、施工業者やリフォーム会社選びが重要。

10万円以上のリフォームをする人が、必ず知っておくべき内容をまとめた記事はこちら。

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屋根葺き替えのメリット
屋根葺き替えのメリットは、以下2つ。
- 安心感が別格
- 次の屋根リフォームまでの期間が長い
1つずつ説明します。
屋根葺き替えのメリット①安心感が別格
屋根葺き替えのメリット、1つ目は安心感が他の屋根リフォームと比べて別格なこと。
屋根の葺き替えは、既存の屋根材と、防水紙を全部はがすので、その下の野地板の状態がしっかりと確認できます。
言葉で言うとわかりにくいので、まずは屋根の構造を見てみましょう。

この図で言うと、
- 濃いオレンジ=屋根材
- 下葺材=防水紙
この2つをはがすと「野地板=合板」が見えます。
屋根が傷み、防水性能が悪くなると、屋根材の下に雨水が滞留。
さらに、防水紙も劣化すると、その下の合板に水がまわり、合板が腐ります。
合板が腐ると、その範囲はどんどん広がり、屋根組などの木材や柱などが腐っていくことも。
そして、なにより怖いのが、白アリ。
白アリは腐った木材が大好物なので、雨漏れで腐った木材を食べに次々とやってきます。
このように、雨漏れは「腐る」と「白アリ」のダブルパンチで家を傷めるので、屋根のリフォームは本当に重要。
屋根を葺き替える場合は、雨が防水紙より下にまわっていないか、木材が腐っていないかを確実にチェックすることができます。
それに対し、屋根塗装やカバー工法は、既存の屋根をはがさないので、木材の様子は、内側からしか見ることができません。
断熱材が屋根裏に施工されている場合は、内側から見ても合板の状態を確認することができません。
たとえば、こんな状態の合板だった場合…

葺き替えなら、悪いところを全部やり直して、新しい屋根材を施工できます。
でも、塗装やカバー工法だと、この状態の合板がそのまま残ることに。
この状態だと、カバー工法で新しい屋根材を固定しようとしても、クギがききません。
塗装も、屋根材が安定せず動くので、すぐに塗膜が割れてしまいます。
野地板がこの状態で、カバー工法や屋根塗装をしても、その場しのぎのリフォームになり、すぐにまた工事が必要に。
屋根の葺き替えが、いかに安心感があるか。
お分かりいただけたでしょうか。
屋根葺き替えのメリット②次の屋根リフォームまでの期間が長い
屋根葺き替えのメリット、2つ目は次の屋根リフォームまでの期間が長いこと。
1つ目のメリットでお話したように、屋根を葺き替える場合は、屋根材の下を全部チェックして、安心な状態にしてから新しい屋根材を葺きます。
また、合板には寿命があり、野地板に使っている合板も、30年くらい経つと接着剤がはがれるなどして劣化。
ですので、屋根を葺き替えるときは、古い合板の上に新しい合板をもう1枚重ね張りしてから施工するのが普通。
このように、劣化しているものをすべて補修や交換し、安心な状態にするので、次に屋根リフォームをするのはかなり先でよくなります。
屋根葺き替えのデメリット
屋根葺き替えのメリットばかりをお話してきましたが、デメリットもあります。
それは、費用の高さと工期の長さ。
でも、筆者は葺き替えとカバー工法の両方で見積もりを作ったことが何度かありますが、それほど大きな差はないんですよね。
少なくとも、カバー工法なら半分の費用でできます!とは言えないレベルの差です。
工期は確かに葺き替えだと長くかかりますが、室内に職人さんが入り込むわけではないので、長くてもそれほど気にしなくていいのかなとは思います。
「屋根の葺き替え」を選択すべき屋根
屋根の葺き替えを選択した方がいい場合について、お話します。
屋根のリフォームには、
- 屋根塗装
- 既存屋根の上に新しい屋根材を葺くカバー工法
- 屋根材の葺き替え
この3種類の方法があります。
屋根リフォームの種類!塗装・カバー工法・葺き替えを徹底的に比較
屋根塗装は必要?メリットやデメリット、注意点をリフォームのプロが解説
屋根のカバー工法はデメリットに注意!リフォームのプロが教える注意点
そのうち、「屋根の葺き替え」を選ぶべきなのは、以下。
- 築年数30年超え
- 屋根材がたくさん割れていたり、水が屋根材の下に入り込んでいる形跡がある
- 天井や小屋裏に雨漏れの形跡がある
これらに1つでも当てはまる場合、以下の理由で「屋根塗装」でも「カバー工法」でもなく、「屋根の葺き替え」を筆者はおすすめしています。
- 屋根材自体が傷んでいる可能性が高いこと
- 屋根材の下にある「防水紙」や「下地合板(ベニヤ)」まで傷んでいる可能性も高いこと
- 塗装ではその傷んでいる部分の確認をすることができないこと
屋根材と防水紙を撤去してみたら、雨水で屋根下地や垂木(屋根下地を支える木材)が腐ってグズグズになっていたりすることがあります。
先にお見せしたこんな状態です。

この場合、しっかりと補修する必要があるので、屋根塗装やカバー工法では対応できません。
「屋根の葺き替え」以外の「屋根塗装」や「カバー工法」を選択してもよい屋根
次は、屋根の葺き替え以外のリフォームを選択していい屋根についてお話します。
こう考える人もいますよね。
その場合、以下の条件に当てはまれば、葺き替え以外を選択することが可能。
- 屋根の色が薄くなったり汚れたりしているだけで、屋根材と屋根下地は傷んでいない
- 築年数25年未満
- 屋根の上からと小屋裏の中からしっかり点検した結果、雨漏れや屋根下地合板の痛みがない
いかがでしたか?
これに当てはまる場合は、「屋根塗装」や「カバー工法」も検討してみてくださいね。
スレートが数枚割れてしまっている場合は、部分的に新しいスレートに差し替えることもできます。
屋根葺き替えと他の屋根リフォームを比較
屋根葺き替えと他の屋根リフォームを比較していきます。
屋根葺き替えが他の屋根リフォームより優れていること
屋根の葺き替えが、他の屋根リフォームより優れているのは、先にお話した以下2つ。
- 安心感が高い
- 次の屋根リフォームまでの期間が長い
屋根葺き替えが他の屋根リフォームより劣っていること
屋根の葺き替えが他の屋根リフォームより劣っているのは以下2つ。
- 費用が高い
- 工事期間が長い
屋根葺き替え工事の流れは以下。
- 既存の屋根材を撤去
- アスベスト入り屋根材の処分
- 屋根下地の上張り
- 防水紙を張る
- 新しい屋根材を葺く
カバー工法は④⑤だけなので、①②③の分、屋根の葺き替えは工程が多くなります。
屋根葺き替え注意点
屋根の葺き替えをするときの注意手について解説します。
ひとことで屋根の葺き替えといっても、
- 選ぶ屋根材
- 施工の方法
これらによって金額は大きく変わります。
屋根の葺き替えに限った話ではありませんが、単純に「見積金額の安さ」だけでリフォーム会社を決めてしまわないようにしましょう。
ポイントは4つ。
- 屋根の材料
- 役物
- 屋根と外壁の取り合い部分
- 屋根下地合板
1つずつ説明します。
屋根の材料はなにを選定しているか
屋根の材料には色々なものがあります。
割合としては、
スレートが8割、アスファルトシングルと金属屋根が1割ずつというところ。
ちなみに私が一番よく選択するのは、スレートの「コロニアルグラッサ」
色数が多く、色モチも問題ないので、とても使いやすい商品です。
カラーベスト全9商品を徹底比較!リフォームのプロがわかりやすく解説
役物は何を選定しているかも確認してください
役物とは、屋根の端や棟に使う部材です。
2種類の役物の画像を添付するので、違いを確認してみてください。
屋根材と同じ役物を使用する場合=「同質役物」
金属の役物を使用する場合=「メタル役物」
もちろん金額も異なり、「同質役物」の方が高額で、次のメンテナンスまでの期間が長くなります。
1階の屋根と外壁がぶつかる部分の板金はどうするか

1階の屋根と外壁がぶつかる部分には、雨水が外壁の中に入り込んでいかないように「板金」が外壁内部に入り込んでいます。
リフォームで屋根を葺き替える際、板金の主な施工方法は以下2種類。
- 外壁を部分的にカットして、板金を入れ替える
- 既存の水切り板金を残して、新しい板金を外壁に沿って少し立ち上げる
この板金の施工をどちらにするかで費用が大きく異なります。
より安心なのは、
- 外壁を部分的にカットして、板金を入れ替える
ですが、外壁を部分的に撤去・復旧する分、費用も多くかかります。
該当部分から雨が漏っていることがわかっている場合は、絶対に「外壁を部分的にカットして、板金を入れ替える」方法を選びますが、そうでない場合は屋根の状況を見て判断。
リフォーム会社に現状をよく見てもらい、よく相談して決めてください。
屋根下地の上張りは、見積に含まれていますか?
屋根材の下には屋根下地合板(野地板)が張ってあります。

ここでもう1度、屋根の構造を見てみましょう。
この図でいう「既存野地板」が、もともと張ってあった「下地合板」です。
合板(ベニヤ)は薄い板を何枚か重ね、接着剤でくっつけることで1枚の合板を作っていますが、この「接着剤」が長年の湿気や雨の浸水ではがれ、合板の強度が十分でなくなってしまうことがよくあります。
その古い合板に新しい防水紙や屋根材を打ち付けようとしても、しっかりとクギが効かないので、屋根の葺き替えをするときは、必ず屋根下地合板を上張りする必要があります。
この図でいう「新野地板」が、上張りした「下地合板」です。
契約する前に必ず確認してくださいね!
屋根の色
屋根を葺き替える際、屋根の色選びをすると思いますが、提案があります。
できれば、真っ黒はやめましょう。
屋根の色は「黒」が一番人気ですが、黒い屋根はとても熱くなりやすいのです。
あんまり薄い色の屋根は、見慣れていないので抵抗があると思いますが、濃茶や濃紺、グリーンなどの色ならそれほど違和感がないはず。
黒い屋根よりは暑くなりにくいので、ぜひ検討してみてくださいね。
外壁の色とのバランスも確認しましょう。
屋根を葺き替えるなら、あわせて検討したい工事項目
屋根の葺き替えと一緒に施工した方が、コスパのいい工事がいくつかあります。
外壁塗装などの外壁リフォーム

屋根のリフォームをする場合、足場を組むので、その足場を屋根リフォームのためだけでなく、外壁のリフォームにも使うと一石二鳥です。
屋根と外壁はメンテナンスの年数もだいたい同じくらい。
外壁も一緒にリフォームすることをおすすめします。
雨どいの交換
屋根を葺き替える場合は、雨の流れ方が変わります。
雨どいも交換しましょう。
トップライト(天窓)の検討
北側のキッチンや洗面所、窓のない廊下などに暗い空間はありませんか?
そんな空間にはトップライトをつけると、一気に明るくなります。
屋根の葺き替えやカバー工法のタイミングなら、簡単にトップライトの施工が可能。
太陽光発電
太陽光パネルを設置するのにも足場が必要。
よかったら検討してみてください。
屋根葺き替えリフォームの必勝法
屋根の葺き替え工事は、単純なようで意外と選択肢も多く、チェックすることがたくさん。
そして、屋根のリフォームは、家のモチに大きく影響します。
そんな屋根葺き替えリフォームを成功させるために、ぜひ、以下の記事を読んでみてください。
リフォームのウラもオモテも知り尽くした筆者が、リフォームの必勝法をあなたに伝授します!
リフォーム成功に必要なたった1つのこと|すべての失敗はコレが原因
屋根の葺き替えについて最後に
屋根の葺き替えはとても費用がかかる工事ではありますが、既存屋根材を撤去して内部の状態が確認できる分一番安心できる施工内容になります。
「家のモチ」は屋根と床下のメンテナンスに大きく左右されますので、信頼のおけるリフォーム会社にしっかりと現状を点検してもらい、ベストな施工方法を見つけてください
リフォーム成功に必要なたった1つのこと|すべての失敗はコレが原因
リフォーム会社の選び方|プロが教えるトラブル会社を見抜く【必勝法】
【10万円以上のリフォームをする人】絶対知っておくべき5つのこと|プロが解説
屋根リフォームの種類!塗装・カバー工法・葺き替えを徹底的に比較
屋根塗装は必要?メリットやデメリット、注意点をリフォームのプロが解説
屋根のカバー工法はデメリットに注意!リフォームのプロが教える注意点
リフォームにおけるあらゆる失敗やトラブルは、ほとんどが「ダメな担当者」や「ダメな会社」を選んでしまったことが原因。
相性のよい会社を見つけるために、リフォーム会社比較サイトで「複数の」会社をチェックすることを、「強く」おすすめします!
また、リフォーム会社に依頼をする前に、自分自身がリフォームについて勉強しておくことも大切。
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リフォーム設計のプロである筆者が、以下①②について、おすすめを紹介します!
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- リフォームに役立つ無料の資料
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