屋根の塗装は正しく行わないと、屋根の寿命を延ばしてくれません。
適したタイミングで、適した塗料で施工して、初めて屋根の寿命を延ばします。
そして、何より大切なのが現状の屋根のチェック。
状態によっては、屋根塗装をしてもなんの効果もない可能性が。
「屋根の色が薄くなってきたから、屋根の塗装をしたほうがいいかな?」
「屋根のリフォームをしたいけれど、塗装がいいかな?葺き替えがいいかな?」
ひとことで屋根のリフォームといっても色々な種類があって、何を選んでいいのかがよくわからなかったりしませんか?
この記事では
- どういうときに「屋根塗装」を選択すべきなのか
- 屋根塗装のメリット・デメリット
- 屋根塗装の材料や施工方法など、見積内容の注意点
がわかるよう、屋根塗装をするときに知っていてほしい知識を全てまとめました。
ぜひ最後まで読んでくださいね。
10万円以上のリフォームをする人が、必ず知っておくべき内容をまとめた記事はこちら。

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「屋根塗装」を選択してよい屋根
屋根塗装を選択してよい屋根を説明する前に、屋根がどんな構造でできているのかを見ていきましょう。
屋根の構造


上から順に、以下のような構造になっています。
- 屋根材(スレートや瓦など)
- 下葺き材(ルーフィング、防水紙ともいわれます)
- 野地板(下地合板、下地ベニヤともいわれます)
- 小屋組(屋根を支える骨組みを指します)
この構造をイメージしながらこれから先の記事を読むと、理解がしやすいです。
屋根塗装を選択してよい屋根
屋根塗装を選択していい屋根と、それ以外の葺き替えやカバー工法を選択したほうがいい屋根があります。
屋根塗装は他の屋根工事である葺き替えやカバー工法と比べて軽易な屋根リフォームですから、屋根塗装を選択してよい屋根には条件がいくつかあるのです。
屋根のリフォームには、
- 屋根塗装
- 既存屋根の上に新しい屋根材を葺くカバー工法
- 屋根材の葺き替え
の3種類の方法があります。
そのうち、「屋根塗装」を選んでよいのはどんな場合なのかを、ここでは説明。
屋根塗装以外の工法については別記事でくわしく説明しています。
屋根のリフォーム全知識! 「塗装」「カバー工法」「葺き替え」を徹底的に比較
【屋根のカバー工法】全知識!「メリット・デメリット」「見積内容注意点」など
【屋根葺き替え】全知識!「メリット・デメリット」「見積内容注意点」など
屋根塗装を選択してよい屋根の絶対条件は、以下。
屋根の色が薄くなったり汚れたりしているだけで、屋根材と屋根下地は傷んでいないこと
屋根の塗装効果は、以下「だけ」。
- 屋根の色を美しく保つこと
- 屋根材表面の撥水機能をよみがえらせること
ですので、屋根塗装を選択する場合、
現状の屋根がきちんと雨から家を守っている
ということが大前提なのです。
「現状の屋根がきちんと雨から家を守っているかどうか」を確認するために、
- 屋根の上を点検し、屋根材の痛みがないかを確認したか
- 小屋裏の中を点検し、野地板の状態、雨漏れの跡がないかを確認したか
- その上で既存の屋根に問題がないことをきちんと確認したか
は、重要なポイントになってきます。
「屋根塗装」を選択してはいけない屋根
「屋根塗装」ではなく「屋根の葺き替え」をおすすめするのは、以下の3つの場合です。
- 築年数30年超え
- 屋根材がたくさん割れていたり、水が屋根材の下に入り込んでいる形跡がある
- 天井や小屋裏に雨漏れの形跡がある
これらに1つでも当てはまる場合、以下の理由で「屋根塗装」でも「カバー工法」でもなく、「屋根の葺き替え」をおすすめしています。
- 屋根材自体が傷んでいる可能性が高いこと
- 屋根材の下にある「防水紙」や「下地合板(ベニヤ)」まで傷んでいる可能性も高いこと
- 塗装ではその傷んでいる部分の確認をすることができないこと


屋根材の下がこんな状態になっているのに、屋根塗装をしても無駄になること・・・わかりますよね。
また、
屋根の塗装を2回以上している
この場合、「3回目の屋根塗装」はおすすめできません。
屋根の「毛細管現象」という言葉を聞いたことがありますか?
液体の表面張力によって、液体が細い空間の中に入り込もうとする現象です。
身近な例で言えば、コップに入った飲み物にストローを入れると、コップの水面よりもストローの中の水面の方が高くなりますね。
それと同じで、スレートとスレートの隙間に、雨水が入り込もうとする現象のことを、毛細管現象といいます。
もともとスレート屋根の隙間は毛細管現象が起こらない程度の隙間が空いていますが、塗装をすることによって塗料の厚み分で少しずつ隙間が狭くなっていきます。
そうすると、毛細管現象が起こってしまい、スレートの下に雨水が入り込みやすくなってしまいます。
さらにスレートの下に入り込んだ雨水が外に流れようとしても、スレートの隙間が狭くなっているので流れ出ることができず、スレート下に雨水が滞留し雨漏れにつながることに。
それを避けるための材料として「タスペーサー(後述します)」というものがありますが、やはり隙間は少しずつ狭くなっていくので、塗装は2回までが安全だと筆者は考えています。
屋根塗装のメリット・デメリット
メリット
- 費用が安い
- 工事期間が短い
デメリット
- 安心感が低い
- 次のメンテナンスまでの期間が短い
まず費用についてですが、既存の屋根に塗装をするだけですので、葺き替えやカバー工法に比べ、当然安くなってきます。同じ理由で工事期間が短くなってきます。
安心感については、
- 屋根の上を点検し、屋根材の痛みがないかを確認したか
- 小屋裏の中を点検し、野地板の状態、雨漏れの跡がないかを確認したか
- その上で既存の屋根に問題がないことをきちんと確認したか
が重要とお話しましたが、ここさえクリアしていれば屋根塗装でも全く問題はありません。
屋根塗装の見積内容注意点
ひとことで屋根の塗装といっても、
- 選ぶ塗料
- 施工の方法
などによって金額は大きく変わってきますので、単純に「見積金額の安さ」だけでリフォーム会社を決めてしまわないようにしましょう。
ここからは、屋根塗装の材料や施工方法など、見積内容の注意点をまとめていきます。
タスペーサーを使う予定があるか
このタスペーサーはすでにお話しました「毛細管現象」がおきないよう、スレートとスレートの間に入れ、隙間を十分に空けるための部材です。
タスペーサーなしで塗装をすると、隙間が狭くなって雨漏れの原因になってしまいます。
ひと昔前は塗料で隙間がふさがらないようにへらなどで「縁切り」をしていたのですが、最近は「タスペーサー」を利用した施工のほうがより安全なのでそちらを選ぶことがほとんど。
どんな塗料を使って施工するのか。材料の確認
塗料はどんなものを使うのかを確認してみてください。
塗料の価格や寿命は、基材や機能によって変わってきます。
戸建て住宅で使う塗料の基材は、以下の4つ。
- アクリル
- ウレタン
- シリコン
- フッ素
一番寿命が長く金額が高いのがフッ素。
フッ素→シリコン→ウレタン→アクリルの順で金額と性能が下がっていきます。
ちなみに私がよく使う塗料は、エスケー化研の「ヤネフレッシュSi」か、「クールタイトSi」です。このSiが「シリコン基材」を表しています。
ひと昔前はアクリルやウレタン基材の塗料を使っていましたが、年々よい塗料が好まれるようになってきていますので、今はシリコン基材が主流。
逆に一番高いフッ素基材の塗料はまだ高すぎるので、住宅に使うことはそう多くありません。
機能については、「防汚機能」や「遮熱機能」がついているものがあります。「防汚機能」は程度の違いはありますが、たいていの塗料についている機能です。
そしてこれは私の個人的な意見ですが、屋根の塗料に「遮熱機能」は必ずしもつけなくてよいように思っています。
なぜなら、屋根の塗料を遮熱にするよりも、小屋裏の屋根の下の面に断熱材を吹いたほうが、断熱性能としては高いからです。もちろん遮熱塗料と断熱材のダブルで施工すれば、より効果はあるとは思いますが。
これはアイシネンLDフォームという吹付けタイプの断熱材で、断熱効果がとても高い商品です。
屋根の断熱や遮熱で室内の暑さがやわらぐ!おすすめの断熱材と塗料も
屋根塗装の色はどうする?色を決めるときのポイント
屋根の色で断トツに多いのは「黒」ですが、断トツに熱くなるのも「黒」なんです。とはいえ、あんまり薄い色の屋根は見慣れていないので違和感が出がちです。
そこで、「まっ黒」よりは少しでも熱くなりにくい、「濃茶」や「濃紺」などを選んでみてはいかがでしょうか。ちなみに「グリーン」もよく使われている色ですから、見た目の違和感はなさそうです。
屋根の色を決めるときは外壁とのバランスが大切ですので、色合わせをして決めてくださいね。
それと屋根塗料のツヤですが、汚れ落ちのことを考えて「10分ヅヤ」にすることをおすすめします。
外壁の場合はテカテカの仕上がりを嫌って、塗料を「3分ヅヤ」に指定することも多くあるのですが、屋根の場合は「汚れにくさ」を最優先に考え、ツヤを落とさずに塗装します。
屋根塗装をするなら、あわせて検討したい工事項目


外壁塗装などの外壁リフォーム
屋根塗装をする場合は足場を組みますので、その足場を屋根塗装のためだけでなく、外壁のリフォームにも使うと一石二鳥です。
屋根と外壁はメンテナンスの年数もだいたい同じくらいですので、外壁も一緒にリフォームすることをおすすめします。
雨どいの塗装
屋根が塗装してきれいになると雨どいの汚れも目立ちますので、雨どいの塗装をおすすめします。
屋根塗装について最後に
家のメンテナンスの中で最も重要なのが、屋根と床下のメンテナンスです。
その大事な部分をどうリフォームするかは今後の「家のモチ」に大きく影響してきますので、リフォーム会社まかせにせずしっかりと内容を検討し、納得のいくリフォームをしてほしいと思います。
最後にもう一度確認です。
そのリフォーム会社は、
- 屋根の上を点検し、屋根材の痛みがないかを確認してくれましたか?
- 小屋裏の中を点検し、野地板の状態、雨漏れの跡がないかを確認してくれましたか?
- その上で既存の屋根に問題がないことをきちんと説明してくれましたか?
点検もせずに「屋根は塗装で大丈夫ですよ」なんてリフォーム会社に言われて、屋根塗装を決めていませんか?
家を守るのは、お施主様自身です!
納得のいく屋根塗装をしてくださいね。
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【屋根のカバー工法】全知識!「メリット・デメリット」「見積内容注意点」など
【屋根葺き替え】全知識!「メリット・デメリット」「見積内容注意点」など
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