無垢フローリングのメリット、デメリット、選びかたなどについて、リフォーム設計のプロである筆者が解説。
この記事では一般的によく耳にするメリットやデメリットだけでなく、
- 無垢フローリングを提案して失敗した案件の話
- 無垢フローリングをおすすめできない人についての話
- どんな種類の無垢フローリングを選ぶべきか
など、実際に設計をしている筆者ならではの視点で、無垢フローリングについてお話しします。
無垢フローリングのメリットはなんといっても、その質感の良さ。
価格は高くても、高いなりの高級感、足ざわりの良さが必ず実感できる床材です。
リフォームを終えたお施主様の感想の中でわりと多いのが、
「もっといいフローリングを選べばよかった」
というもの。
無垢フローリングのメリットやデメリット、選びかたをまとめたこの記事を読めば、後悔のないフローリング選びができるはず。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
フローリングの種類についての記事はこちら。

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シートフローリングの記事はこちら。



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無垢フローリングのメリット・デメリット【特徴一覧表】
無垢フローリングのメリットやデメリットをこまかく説明する前に、まずは一覧表で無垢フローリングの特徴を見ていきましょう。
無垢フローリング | |
質感のよさ | |
価格の安さ | |
手入れの簡単さ | |
長持ちしやすさ | ~ |
経年変化しにくさ | |
寸法安定性の高さ |
フローリングの中で最高級の無垢フローリングですが、一覧表を見るとメリットばかりではなくデメリットも結構あることがわかりますね。
また、フローリングには無垢フローリングの他に、挽き板フローリング、突き板フローリング、シートフローリングがありますが、その違いは断面。
画像のように1枚のフローリング全部が、1本の木から切り出して作られたものを無垢フローリングといいます。
木そのものをフローリングにしているので、良くも悪くも「木の特徴」がそのまま無垢フローリングの特徴になります。
次は無垢フローリングのメリットを詳しく見ていきましょう!
無垢フローリングのメリット
無垢フローリングのメリットは以下2つ。
- 質感のよさ
- 「手入れによっては」長持ちする
1つずつ説明します。
無垢フローリングは質感がよい
無垢フローリングは質感のよさが最大の魅力です。
まずは足ざわり。
木そのもののやわらかさ、温かみが足に気持ちよく伝わってきます。
フローリングは素足だとヒヤッとしますが、無垢フローリングはそのヒヤッと感がとても少なく、本当に快適。
そして、見た目の美しさも無垢フローリングが一番です。
丸太から切り出した木そのものを使っているため、フローリング1枚1枚に違う表情があり、敷き詰めたときの色ムラ感がとても美しいのです。
と、言葉で伝えてもなかなか伝わりにくいので、画像で比較してみましょう。
無垢フローリング


出典:マルホン
こんな感じで、「色ムラ」「表情のムラ」が出ます!
突き板フローリング
無垢フローリングと比べると、突き板やシート張りのフローリングは「のっぺり」とした印象に仕上がりがちなのがわかりますね。
美しい木目を持つ木の部分が0.3㎜程度しかない突き板フローリングでは、「木目の深み」が出ず1枚1枚のフローリングが均一でのっぺりとした仕上がりになってしまうのです。
この違いはカタログや画像では少しわかりにくいので、必ずサンプルを取り寄せ、見て、触ってみてくださいね!
無垢フローリングは「手入れによっては」長持ち
長持ちすることも無垢フローリングのメリットです。
ただし、あえて「手入れによっては」と入れたのには訳があります。
無垢フローリングは木そのものなので、木の持つよい性質も悪い性質もそのまま持っていると先に書きました。
よい性質は上の質感のよさで説明した通りですが、悪い性質としては水に弱い、日焼けなどにより変色することなど。
ですので、床に水をこぼしてしまったらすぐに拭いたり、木が変色してきたらオイルなどで手入れをしたりというお手入れが無垢フローリングにはかかせません。
そういったお手入れをきちんとしていけば、無垢のフローリングはとても長持ち。
また、日焼けや汚れで汚くなってしまっても、表面を削れば美しい木目がよみがえります。


出典:マルホン
自分でやることもできますし、画像のようにプロにメンテナンスサービスを頼むことも可能です。
手をかけながら長く使っていく、そんな使いかたが無垢フローリングには合っています。
無垢フローリングのデメリット
次は無垢フローリングのデメリットを見ていきましょう。
無垢フローリングのデメリットは以下4つ。
- 価格が高い
- 手入れが面倒
- 経年変化しやすい
- 安定性が悪い
1つずつ説明します。
無垢フローリングは価格が高い
無垢フローリングは他の種類のフローリング、挽板、突板、シートフローリングと比べて最も高価。
どうしても無垢のフローリングを使いたいからといって、極端に安い無垢フローリングを選ぶのはおすすめできません。
ここで注意点、というか、筆者がその昔無垢フローリングで失敗した案件の話をします。
その昔、「どうしても無垢のフローリングがいいけれど予算がない」というお施主様がいたので、とても安い無垢フローリングを提案し施工したのですが、品質が悪く寸法がバラバラ。
見た目もそれほど美しくなく、仕上がってみても全く無垢に見えないという残念な結果になりました。
高いフローリングだから良いものだとは言いませんが、無垢だから必ずしも美しく仕上がるというものではありません。
サンプルやカタログなどでしっかり品質を確認してから選ぶことを強くおすすめします。
無垢フローリングはお手入れが大変


これについては上のメリット「長持ち」のところで説明した通り、無垢フローリングはお手入れをきちんとすることで長く美しさを保てる床材です。
なので、通常のフローリングと比較すると、お手入れは少し面倒。
定期的にオイルを塗ったり、汚れが染み込まないよう常に気を付けておく必要があります。
無垢フローリングは経年変化しやすい
これも上の長持ちのところで説明した通り、無垢フローリングは日に焼けたりして変色しやすい特徴があります。
ただ、その日焼けも「フローリングの味」として、変わっていく表情を楽しむことができますよ。
参考までに色々な無垢フローリングの経年変化を見てみましょう。
色味が濃くなる樹種


色味が明るくなる樹種


変化のスピードが速い樹種


色柄がなじむ樹種


出典:マルホン
経年変化した後のフローリングもステキですよね!
突板やシートフローリングの劣化は表面がささくれてくるなどするので、その劣化した姿は到底楽しめるものではないですが、無垢フローリングは「劣化」というより「変化」。
変わっていくフローリングを楽しみましょう。
また、お手入れによって元の美しさをよみがえらせることもできますよ。
無垢フローリングは安定性が悪い
無垢フローリングの最大の欠点はこの安定性の悪さです。
無垢フローリングは断面すべてが1つの木材でできているため、木の特徴である反りやすさや膨張性、収縮性などにより寸法が安定しません。
それによって、フローリングが乾燥する冬にはフローリングの間のすき間が大きくなり、夏にはすき間がつまったりします。
そして、寸法が安定しないことが床鳴りの原因になることも。
この寸法安定性はフローリングの樹種によっても大きく異なります。
無垢フローリングを選ぶときには、その樹種の寸法安定性についてもしっかり確認しておきましょう。
寸法安定性の低いフローリングが嫌だという人は、床暖房対応の無垢フローリングを選ぶとそうでないものと比べ寸法安定性が高いのでおすすめです。
無垢フローリングの選びかた
無垢フローリングにも色々な種類がありますが、リフォーム設計のプロである筆者が無垢フローリングを選ぶ時におすすめしている種類は以下。
- 浸透性塗料で仕上げた無垢フローリング
- 国内メーカーの無垢フローリング
1つずつ説明します。
浸透性塗料で仕上げた無垢フローリング


出典:マルホン
無垢フローリングの最大の魅力は、先にお話した通りその質感のよさです。
質感の良い無垢材を最も生かす仕上は、浸透性の塗料またはオイル。
足ざわりの良さをそのまま生かし、木目の美しさをより引き立ててくれます。
水や汚れに強くなるようにと、ウレタン樹脂などのコーティング系塗料で塗った無垢フローリングもありますが、表面がツルツルに仕上がるので足ざわりの良さはなくひんやり冷たい踏み心地。
また、無垢ならではの見た目の美しさも、ツルツルに仕上げることでその美しさは半減してしまいます。
筆者個人的な意見ではありますが、無垢フローリングには植物オイルや蜜蝋ワックスなどの塗料が合います。
国内メーカーの無垢フローリング
無垢フローリングは海外メーカーのものもたくさんあります。
ですが、海外メーカーのフローリングは「土足で生活をする家」を想定して作られているので、家の中でくつを脱ぐ習慣のある日本人には向いていないことがほとんど。
寸法安定性が国内メーカーのものよりもだいぶ低かったり、表面の仕上が甘く足ざわりがあまりよくなかったり。
また、フローリングの製造工程でしっかりと乾燥していないと、湿度の高い日本ではより寸法の安定性が悪くなります。
ですので、日本の気候を考慮し、日本の生活を配慮して作られた国内メーカーの無垢フローリングを選びましょう。
ここで注意ですが、ここでは「国内メーカーの無垢フローリングであること」をおすすめしていて、「国産の樹種を使ったフローリング」をおすすめしているわけではありません。
海外の樹種でも国内の優秀なメーカーがしっかり管理して作ったフローリングは、乾燥の具合がよく寸法安定性も高い上、足ざわりもみごとです。
無垢フローリングはどんな人におすすめか
無垢フローリングがおすすめなのはこんな人。
- インテリアにこだわりのある人
- 床に足ざわりの良さを求める人
無垢フローリングは本当に見た目が素晴らしいので、インテリアにこだわりがある場合にはおすすめの床材です。
金額は高いですが、お金をかけたことが見た目としてしっかり分かるのが無垢フローリングです!
また、足ざわりの良さも魅力なので、フローリングのヒヤッと感がイヤな人はぜひ。
木そのもののやわらかさ、温かみがとても心地いいです。
無垢フローリングがおすすめできないのはどんな人か
とても魅力的な無垢フローリングですが、おすすめできない人も結構います!
- フローリングにお金をかけたくない人
- フローリング間のすき間やつまりが許せない人
- 日焼けなどの経年変化が許せない人
- お手入れを面倒だと感じる人
- ペットのおしっこがかかる可能性のある人
- 床暖房やホットカーペットを検討している人
まず、フローリングにお金をかけたくない人は、無垢フローリングを選んではいけません。
そもそも無垢フローリングは高いですし、安い無垢フローリングはダメなものが多いです。
次に、フローリング間のすき間や詰まりは、無垢のフローリングなら大なり小なり必ずあります。
寸法安定性の悪さを許せない場合は、挽き板、突き板、シートフローリングなどのフローリングを選びましょう。
日焼けなどの経年変化も、自然の塗料で仕上げたフローリングには必ず起こります。
寸法安定性の悪さや経年変化などのちょっと暴れん坊的な特徴も含めて楽しめる人でないと、無垢フローリングを選ぶのは避けたほうがよさそう。
お手入れもそんなに頻繁には必要ありませんが、ずっとほったらかしにしていていいわけではないし、水などをこぼしたらすぐに拭く必要があります。
また、無垢フローリングだけではありませんが、ペットのおしっこはフローリングの大敵。
特に無垢フローリングは中に水分が染み込みやすいので、おしっこがかかる可能性が少しでもある場合は、無垢フローリングはおすすめできません。
同じ理由でトイレに無垢フローリングを使うこともやめたほうが無難。
最後に床暖房やホットカーペットについてですが、無垢フローリングはここまでにもしつこくお話している通り寸法安定性が悪いので、温めることでより水分量が変わりやすく縮んだり反ったりしやすくなります。
無垢フローリングの中には床暖房対応とされている商品もありますが、それを信じて施工した結果、床鳴りを起こしたことが筆者には何度かあり、最近では床暖房をする場合は決して無垢のフローリングをおすすめしないことにしています。
どうしても床暖房やホットカーペットを使いたいし、無垢のフローリングがいいという場合は、挽き板フローリングがおすすめ!
質感のよさは無垢レベルなのに、寸法安定性もよく、価格も無垢よりは安い優れものです。
無垢フローリングのメリット・デメリット・選びかたについてまとめ


出典:マルホン
無垢フローリングのメリット、デメリット、選びかたについてお話してきました。
無垢フローリングの最大のメリットは質感のよさ。
見た目のよさはもちろん、やわらかく温かみのあるここちよい足ざわりは、とても魅力です。
逆に、無垢フローリング最大のデメリットは、寸法安定性の悪さ。
木そのものの特徴である膨張性、収縮性、反りなどの特徴が、無垢フローリングでは他のフローリングと比べて出やすくなります。
また、無垢フローリングは床暖房やホットカーペットを使う場合にはおすすめできません。
金額は高いけれど、その価値は十分にある無垢フローリング。
ぜひ検討してみてくださいね!
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