キッチンのレイアウトについて、リフォーム設計のプロが解説します。
キッチンを新しくする際、レイアウトに悩む人がたくさんいますが、
システムキッチンは、色々な形状でキッチンを組むことができます。
その反面、「選択肢がありすぎてよくわからない」という声も。
「対面キッチンにしたい」
「ダイニングと一体感あるオープンなキッチンにしたい」
「L型キッチンが気になる」
キッチンに対していろいろな要望があると思います。
でも、まずはどんなキッチンのレイアウトがあるのかを見てみましょう。
もしかしたら、あなたが「これがいい」と思っているレイアウトよりも、もっといいレイアウトがあるかもしれませんよ。
この記事では、キッチンレイアウトの種類と、各レイアウトの特徴、メリットデメリットを説明。
また、キッチンレイアウトを決めるときに注意することについても、しっかり解説していきます。
ぜひ最後まで読んで、自分に合ったキッチンレイアウトを見つけてくださいね!
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キッチンのレイアウト①I型キッチン
キッチンのレイアウト、1つ目はI型キッチン。
一番多く採用されるキッチンの形状が、このI型キッチンです。
シンクからコンロまでが1列におさまる無駄のないシンプルなレイアウト。
無駄のないレイアウトなので、キッチンスペースが狭い場合はI型キッチンがおすすめ。
キッチンの長さはメーカーによって対応できる範囲が異なりますが、1650㎜~3000㎜くらいの間口が一般的。
3000㎜を超える長さでI型キッチンにすると、キッチンの端から端までの距離が長くなり、移動距離が長くなってしまいます。
移動距離の長いキッチンは効率が悪く、使いにくさにつながるので、以下の対策を考えてみては。
- 一部を収納にする
- 一部を冷蔵庫置場にする
- L型など他のキッチン形状を検討する
I型キッチンには大きくわけて3つのレイアウトがあります。
- 壁に面して設置する、I型壁付キッチン
- 腰壁を造作してキッチンを設置する、I型造作対面キッチン
- 対面でオープンな、I型オープン対面キッチン
1つずつ見ていきましょう。
I型壁付けキッチン
出典:リクシル アレスタ
壁に向けてI型のキッチンを配置するレイアウトです。
食器棚は、キッチンのスペースによって、背面でも側面でも配置可能。
冷蔵庫はシンクの隣か背面など、できるだけシンクに近い位置がおすすめ。
キッチンの正面に窓を設けることもできるので、外を見ながら調理ができます。
ただ、ダイニング側に背中を向けることになるので、対面キッチンがお好みの人には向いていません。
I型造作対面キッチン
出典:リクシル アレスタ
腰壁を建築工事で作り、I型のキッチンをその壁に面して設置する方法です。
壁付I型キッチン同様、キッチンの背面は見えてもいいようにできていないので、背面を壁で隠す必要があります。
腰壁の高さはお好みでどのようにも対応できますが、
- より解放感を求める人は、キッチンセットのバックガードのすぐ上に
- 手元をダイニング側から隠したい場合は、キッチンカウンターより20センチ程度高く
腰壁のカウンター面を設定します。
画像もキッチンカウンターより腰壁カウンターを20センチくらい上げて腰壁を造作していますね。
換気フードをつける面には壁が必要ですが、そのほかの面は画像のようにオープンにしてもいいし、壁を設けて吊戸棚をつけてもいいですね。
出典:リクシル アレスタ
吊戸棚をつけた例です。
同じ造作対面キッチンでも、かなり印象が違いますよね!
キッチンを、どれくらいダイニングに対してオープンにしたいかどうかで、色々検討してみてくださいね。
I型オープン対面キッチン
出典:リクシル アレスタ
オープンキッチンとは、キッチンセットの背面がそのままダイニング側から見えるタイプのキッチンです。
キッチンに解放感がグッとでてきますね!
画像のようにダイニング側がパネルになっているものもあるし、収納になっているものも。
パネルになっている場合は、椅子を置いて軽食をカウンターで食べることもできますね。
カウンター高さは通常のテーブルより高いので、少し高めの椅子を用意する必要があります。
朝食などでキッチンカウンターを利用すれば、準備も片付けもラクにできますよ!
また、上の画像はオープンキッチンの中でもペニンシュラ型といって、コンロ側が壁にくっついているキッチンの形状です。
スペースの都合でキッチンの両側を通路にすることが難しい場合、片側だけを通路にするペニンシュラ型はとてもプランしやすい形状。
木造の場合、どうしても取れない柱や壁があることがけっこうあります。
そんな場合にも対応できるオープンキッチンがありますよ。
出典:パナソニック ラクシーナ
フラット対面耐力壁プラン。
耐力壁部分にコンロとフードを配置し、他の部分をオープンにする方法。
コンロの前は油がはねやすいので、特に壁が必要ない場合でも、あえてこのプランを採用することがあります。
出典:パナソニック ラクシーナ
こちらはキッチンをグルリと回ることができるアイランド型のオープン対面キッチンです。
キッチンのまわりをグルっと回れるので、色々なところからキッチンにアクセスでき、よりオープンなキッチンに。
なかなかスペースの都合で採用できないアイランドキッチンですが、画像のように部屋の長手側にキッチンを入れるとおさまることがあります。
アイランドキッチンの場合、換気フードは壁に固定することができないので天井固定となります。
出典:パナソニック ラクシーナ
画像はオープン対面キッチンですが、ダイニング側からキッチンのカウンターが丸見えにならないようにできています。
画像のようにダイニング側が収納になっているものもありますし、単にパネルになっているものもあります。
ショールームやモデルハウスで見ると、キッチンカウンターが丸見えの完全にオープンなキッチンのほうがスッキリとしてよく見えます。
でも、食事を作り終えたばかりのキッチンは、必ずしもきれいではないので、
このような要望も多いですよ。
実際の生活をイメージしながら、完全にオープンがいいか、すこし手元が隠れたほうがいいかを検討してみてくださいね。
キッチンのレイアウト②L型キッチン
キッチンのレイアウト、2つ目はL型キッチン。
L型キッチンは根強いファンが多いキッチンレイアウトです。
一度L型キッチンを使ったことがある人は、次もL型を使いたくなる傾向があります。
L型キッチンは、コーナーの部分が決め手。
デットスペースになりそうですが、このコーナー部分に
- 炊飯器やポットなどの家電を置いたり、
- 調味料を置いたり、
- 作り置きの食材を置いたり。
ちょっとした余剰空間として、うまく活用している人がたくさんいます。
コーナー部分の収納は、メーカーやブランドによって色々なものがあります。
内部の棚が回転するものや、引き出せるものなど。
I型キッチンと比べ全体的なボリュームはL型キッチンのほうが大きいので、収納量やゆとりの面では優れたレイアウトです。
L型キッチンにもI型キッチン同様、大きく分けて3つのレイアウトがあります。
- 壁に面して設置する、L型壁付キッチン
- 腰壁を造作してキッチンを設置する、L型造作対面キッチン
- 対面でオープンな、L型オープン対面キッチン
1つずつ見ていきましょう。
L型壁付キッチン
出典:パナソニック ラクシーナ
シンク側とコンロ側の両方が壁に面しているL型キッチンです。
部屋の角をそのまま利用して、キッチンもL型にしています。
窓の方を向いて調理することができるレイアウトですが、対面キッチンを希望する人には向きません。
L型キッチンの中で、一番スペースを使わないのがこのL型壁付キッチンになります。
L型造作対面キッチン
出典:リクシル アレスタ
腰壁を建築工事で作り、L型キッチンのシンク側をその壁に面して設置する方法です。
壁付キッチン同様、キッチンの背面は見えてもいいようにできていないので、背面を壁で隠す必要があります。
腰壁の高さは、I型キッチンと同じように、お好みでいかようにも対応可能。
腰壁は画像のようにオープンにしてもいいし、壁を設けて吊戸棚をつけてもいいですね。
L型オープン対面キッチン
出典:リクシル リシェル
L型キッチンのシンク側がオープンキッチンになっているレイアウトです。
シンク側はオープンですが、コンロ側は壁に面しているので油跳ねの心配がありません。
ダイニング側は収納にしたり、オープンスペースにして軽食を食べるスペースにしても。
キッチンのレイアウト③二列型キッチン
出典:リクシル アレスタ
キッチンレイアウトの種類、3つ目は二列型キッチン。
あまり多く採用するレイアウトではありませんが、シンクとコンロを分離したキッチンです。
ほとんどは画像のようにシンク側をオープンにしますが、たまにコンロ側がオープンのキッチンも見ます。
どうしてもアイランドキッチンにしたいけれど、スペースが足りない!という場合に採用するのがこの二列型レイアウトです。
ただ、シンクとコンロがカウンターでつながっていないので、床に水などが垂れたりすることも。
床材を配慮した方がいいかもしれませんね。
キッチンのレイアウトを決めるときの注意点
ここまで色々なキッチンのレイアウトをご紹介してきましたが、キッチンスペースの中に入れるものはキッチンセットだけではありません。
- 冷蔵庫
- 家電収納
- 食器棚
- ゴミ箱
- 生ごみ処理機
- ウォーターサーバー
キッチンスペースにはたくさんのものが必要です。
これらをどこに配置するかをしっかり考えてキッチンレイアウトを計画しないと、おさまるべきところにものがおさまらず、雑然としたキッチンになってしまいます。
また、キッチンで作業をする人数も事前に考えておく必要があります。
2人以上で作業をすることが多い場合と、ほぼ1人で作業する場合とでは、ベストな通路幅や作業スペースの大きさが異なるから。
キッチンのレイアウトは、キッチンセット単独で考えるのではなく、キッチンに置くべきものや作業する人のことなど、全体的に考えることが必要です。
キッチンリフォームの必勝法
キッチンのリフォームをするために、キッチンのレイアウトについて検討している人におすすめの記事があります。
キッチンリフォームの計画を進める前に、リフォームを失敗しないための知識をつけておきましょう。
リフォームに失敗する人が1人でも減らせるようにと、書いた記事です。
↓ ↓ ↓
リフォーム成功に必要なたった1つのこと|すべての失敗はコレが原因
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キッチンのレイアウトまとめ
キッチンのレイアウトには、
- I型
- L型
- 二列型
があり、それぞれ壁付キッチン、造作対面、オープン対面などの形状が選べます。
I型はシンプルで無駄がなく一番安くプランができるキッチン。
あまり間口を長くしてしまうと、動線が長くなり使いにくくなることも。
L型はゆとりがあり、コーナー部分の使いかたが使いやすさの決め手になるキッチン。
ゆとりがある分スペースを大きくとり、金額もI型よりは高くなることが多いです。
二列型はアイランドキッチンが作りやすくオープンな感じがステキですが、シンクとコンロが離れる分使い勝手が悪く感じる人もいます。
また、壁付キッチンは窓などを設ければ外の景色を見ながら調理できますが、対面キッチンを好む方には不向きです。
オープンキッチンはそのオープン具合によってキッチンが丸見えになってしまい、それが気になる人もいます。
それぞれにメリットデメリットはありますが、
- どのメリットを優先するのか
- どのデメリットは気にならないのか
をよく考えてキッチンレイアウトの選択をしてくださいね!
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