お風呂の窓について、おすすめのものや選び方などを、一級建築士でリフォーム設計のプロである筆者が説明します。
数々のリフォーム現場で、何十年も使ったお風呂の窓を見てきた結果、お風呂に使うべきではない窓が筆者の中で明確になってきました。
そして、お風呂に使うべきではない窓を除外していくと、おすすめできる窓は、たった1種類しかないという結論に。
その1種類とは、「引違い窓」
理由は後ほどくわしく説明します。
お風呂の窓を選ぶ時のポイントは3つ。
- 目隠し
- 防犯
- 性能
お風呂の窓選びを間違えてしまうと、
- 窓の外からの視線が気になりお風呂で落ち着けない
- 窓にびっしり結露し、カビだらけのお風呂になってしまう
- 窓から冷気が伝わってきてお風呂が寒い
- ドロボウが入りやすい窓となる
などなど、快適なお風呂とはほど遠くなってしまうことも。
この記事では、おすすめの窓だけでなく、窓の位置や大きさ、目隠しの方法、窓のリフォームなど、お風呂の窓に関するあらゆることをお話します。
お風呂の窓を選ぶ前に、知っておいてほしい情報ばかりです。
また、そもそもお風呂に窓は必要かについても解説。
ぜひ最後まで読んで、あなたの家のお風呂にぴったりの窓を見つけましょう。
まずは、お風呂におすすめの窓について、お話していきます。
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お風呂のリフォームをしない場合は内窓もおすすめ!
お風呂の窓|おすすめ
お風呂の窓としておすすめできる条件は、以下3つです。
- こわれにくいこと
- 面格子がつけられること
- ジャマにならないこと
筆者はリフォームの設計をしているので、20年近く使ったお風呂を頻繁に見ていますが、お風呂の窓が壊れているケースをよく目にします。
上げ下げ窓が上がらなくなってしまったり、ハンドルで開け閉めする窓のハンドルが折れてしまったり。
お風呂は湿気が多い空間なので、他の空間と比べて窓が劣化しやすいのです。
ですので、お風呂におすすめの窓は、壊れにくい単純な構造であることを条件に選びました。
そして、防犯を考えると、「面格子がつけられる窓」という条件も必須。
よって、外側に開く窓、たてすべり出し窓、横すべり出し窓はNGです。
防犯ガラスでもいいですが、安心感は面格子の方が上。
面格子なら、換気のために窓を開けたままでも、防犯が可能です。
最後にジャマにならないことですが、内側に倒れてくる内倒し窓だと、場所によっては狭いお風呂の中でジャマになります。
このように消去法でいろいろな窓を検討した結果、筆者がおすすめするお風呂の窓は、
引違い窓
一択です。
もちろん、引違い窓以外の上げ下げ窓やジャロジー、内倒し窓、たてすべり出し窓などがついている家もたくさんあります。
でも、ここまでにお話した条件などを考え、お風呂には引違い窓がベストだと筆者は考えています。
お風呂に窓は必要?
お風呂におすすめの窓を紹介したばかりですが、そもそも「お風呂に窓は必要?」と疑問に思う人が増えてきています。
これまでの常識では、マンションでは窓のないお風呂が多く、戸建てには当然のように窓がついていました。
でも、最近は戸建てでも「お風呂に窓をつけたくない」という人が増えてきています。
お風呂に窓をつけたくない、おもな理由は以下2つ。
- 費用がかかる
- 掃除が大変
とくに新築一戸建ての場合、コストを下げるため「不要な窓や室内ドアを減らす」という選択をする人も。
リフォームの場合、まだそれほど窓無しのお風呂は多くありませんが、それでも年に何回かはそのような要望を耳にします。
でも、やっぱり窓ありのほうが解放感が出るので、筆者は窓あり派。
とはいえ、断熱性能の悪い窓、こわれやすい窓をつけるくらいなら、戸建てでも窓はない方がいいと考えています。
ユニットバスメーカーの取扱説明書を見ると、「換気をするときは、窓を閉める」とあるので、とくに換気のために窓をつける必要はなさそう。
お風呂の窓で最重要!目隠しの方法
お風呂の窓で重要なポイントの1つ、「目隠し」についてお話します。
お風呂の窓に目隠し対策をしないと、暗くなった外から明るいお風呂の中がバッチリ見えてしまい、めちゃくちゃ居心地の悪いお風呂に。
お風呂の窓を目隠しする方法は、以下4通り。
- 窓の「外側」に目隠しになるものをつける
- 窓の「内側」に目隠しになるものをつける
- 窓ガラスに目隠し効果のあるものを使う
- 外からの視線が気にならない位置に窓をつける
1つずつ説明していきますね。
窓の「外側」に目隠しになるものをつける
お風呂の窓の外側につける目隠しは、以下のようなものがあります。
- 目隠し機能付きの面格子
- すだれ
- 樹木や目隠しフェンス
1つずつ見ていきましょう。
目隠し機能付きの面格子
お風呂の窓には防犯上たいてい面格子をつけます。
ルーバーが可動するタイプ
ルーバーが可動しないタイプ
ルーバーが可動しないタイプは、防犯性能が目隠し可動ルーバーより上。
どちらの目隠し面格子も、リフォームでよく使われる商品です。
すだれ
お風呂だけではなく、すだれは本当に優秀な窓まわりアイテム。
安価で手軽に取付けられます。
目隠ししたい窓や、日差しをセーブしたい窓におすすめ。
樹木や目隠しフェンス
窓の外側に窓が隠れるくらいの高さの常緑樹を植えたり、フェンスをつけたりして目隠しをするのもおすすめ。
窓の「内側」に目隠しになるものをつける
窓の内側につける目隠しアイテムとしては、
- ブラインド
- ロールスクリーン
があります。
ユニットバスには「テンションタイプ」のブラインドやロールスクリーンを使わないでください。
テンションタイプとは、その名の通り、突っ張ることで固定するタイプの商品。
ユニットバスの窓枠は意外にペラペラで華奢。
ロールスクリーンやブラインドをつっぱって固定しようとすると、そのつっぱる力で枠に穴が空いてしまうことが「頻繁に」あります。
それと、ブラインドもロールスクリーンもお手入れが大変なので、候補に入れたものの、実はあまりおすすめの目隠し方法ではありません。
窓ガラスに目隠し効果のあるものを使う
目隠し効果のある窓ガラスがあります。
このガラスは本当におすすめ。
ペアガラスの間にブラインドがあるので、ブラインドが汚れません。
ただ、窓を開けるとブラインドも一緒に開くので、「窓を開けてお風呂に入りたい」という場合には、涼風が出る浴室換気扇をつけるなどの代案が必要。
外からの視線が気にならない位置に窓をつける
外からの視線が届かない位置に窓をつけるのも効果的。
外にいる人の目線より高い位置に窓をつければ、明るさや換気を確保しつつ、目線が気になりません。
この画像くらい高い位置の窓だと開け閉めができないので、換気的にはもう少し下のほうがいいですね。
道路や隣地の高さなども考えながら、窓の高さを検討しましょう。
お風呂の窓は防犯に注意
お風呂は北側などの人目につきにくい位置にあることがほとんど。
ということは…
/
泥棒が入りやすい!
\
お風呂の窓には「必ず」面格子をつけましょう。
お風呂の窓は換気で開けっ放しにしている人が多いので、面格子がついていないとまったくの無防備な状態に。
美観を気にして面格子をつけたがらないお施主様がたまにいますが、アイアン調のおしゃれな面格子もありますよ。
できるだけ性能の高い窓を選ぶ
お風呂の窓は性能の低い窓を選んでしまうと、冬には外の冷気が伝わってきて、寒々しいお風呂になります。
さらに、びっしょりと結露し、カビの原因になることも。
お風呂に限ったことではありませんが、窓は性能のいいものをつけることを筆者は強くおすすめしています。
なぜかというと、窓の工事は施工費の占める割合が大きいため、窓を多少いいものにしたからといって、費用が跳ね上がらないから。
それに、
/
窓の性能は、
快適さに直結!
\
性能のいい窓(ガラスも含めて)と、そうでない窓とでは、遮熱、断熱効果が全然違います。
窓に関しては「安物買いの銭失い」という言葉が、本当にしっくりきます。
お風呂の窓【位置や大きさ】
ユニットバスの場合、基本的にお風呂の窓は浴槽の長手面か、短手面につきます。
大きく開口幅を取りたい場合は浴槽の長手面。
(長手面に小さい窓をつけてももちろんOK)
そんなに大きくなくていい場合は短手面でもOK。
どちらの窓位置が、
- 外からの視線が気にならないか
- 風が通り抜けるか
を考えて決めましょう。
浴槽の長手面、短手面以外にも窓をつけることはできますが、色々と制約がでてくるので、そのあたりは設計担当とよく相談してくださいね。
お風呂の窓位置でもう1つ注意してほしいことがあります。
それは、
水じまいを考える
ということ。
ユニットバスでもタイルのお風呂でも、お風呂の窓は建物内部に水が入り込みやすい場所。
建物内部に水が入ると構造材が腐ったり、白アリに食われたりと、いいことは1つもありません。
ですので、できるだけ水が入りにくい位置に窓をつけるのが安全。
浴槽ギリギリではなく、浴槽より25センチ以上高い位置に窓をつける
これだけでずいぶんと安全度はアップ。
その部分に手摺をつけられるし、一石二鳥です。
リフォームで窓の位置や大きさは変えられる?
木造一戸建ての場合は、構造を確認した上で、窓の位置や大きさを変更することがよくあります。
とくに、窓の高さだけを変えるのは、構造的にはほとんど変更がないため、可能なケースがほとんど。
ここで1つ注意があります。
お風呂のリフォームをする場合、既存の窓を残してお風呂を新しくすることができます。
ですが、先にもお話したように、お風呂の窓は家の中で一番水が入り込みやすい場所。
リフォームをするために解体すると、窓の下の構造材が腐っていることが「けっこう頻繁に」あるのです。
中に水が入っていなくても窓は劣化するし、昔の窓は性能が低め。
せっかくお風呂が新しくなるのに、性能が悪く劣化した窓が残ると残念な仕上がりになりかねません。
お風呂を新しくしてしまってから窓を交換したいとなると、できないことはないですが、色々と余計な工事が必要になります。
多少費用がプラスになったとしても、お風呂をリフォームする時は、窓を新しくするのがおすすめ。
窓を交換する工法は、
- 「カバー工法」でも
- 「内窓取付」でも
- 「ガラス交換」でもなく、
既存の窓をすべて撤去して、新しい窓に交換する工法が。お風呂の場合はベストです。
窓の工法の種類については別記事をご確認ください
窓のリフォーム|工法の種類と選びかたをリフォームのプロが解説
マンションやRC造などの場合、窓位置や大きさの変更はできないことがほとんどです。
お風呂をリフォームしないなら、内窓がおすすめ
「お風呂のリフォームはしないけど、窓を高性能なものにしたい」
という場合は、今ある窓を残して内側に内窓をつけるリフォームがおすすめ。
内窓の別記事
内窓で多い後悔はコレ!内窓リフォームのポイントをプロが教えます
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お風呂のリフォームは、窓選びやユニットバス選びなど、選ばなければならないことがたくさん。
このままお風呂のリフォーム計画を進める前に、リフォームに失敗しないための知識を身につけておきませんか?
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↓ ↓ ↓
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リフォームのウラもオモテも知り尽くした筆者が、あなたにリフォームの必勝法を教えます。
お風呂の窓|まとめ
お風呂の窓でもっとも重要なのは、目隠しです。
その他にも、防犯や窓の性能、水じまいなど、お風呂の窓を決めるために考えることはたくさんあります。
お風呂の窓はお風呂の快適さを大きく左右するアイテム。
しっかり検討して、あなたの家のお風呂にぴったりの窓を見つけてくださいね。
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