トイレリフォームについて、リフォーム設計のプロである筆者が注意点を7つ解説します。
「トイレをリフォームしよう」と考えているすべての人が知ってくべき注意点ばかりです。
そうおっしゃるお施主様はたくさんいらっしゃいますが、いざ便器や内装を選ぼうとすると、選択肢がありすぎてすごく迷ってしまうケースも。
リフォーム打合せのときになって、その場であわててあれこれ選ぶよりも、事前にしっかり
「こんな商品を選びたい」
「こんな感じのトイレにしたい」
などと考えをまとめておいた方が、後悔のない商品を選べます。
施工面でも、トイレのリフォーム工事と一緒にやっておいたほうがいい工事などの注意点があります。
よいリフォーム会社や担当者はしっかりとあれこれ提案してくれますが、そうでないリフォーム会社は「頼まれた内容だけ」「必要最低限のリフォーム工事」しか提案してくれません。
何も考えずに便器と内装だけをきれいにしてしまうと、「あの工事も一緒にやっておけばよかった」と後悔することも。
この記事では、
- トイレのリフォームプランの考え方
- リフォーム便器について
- リフォームでトイレの位置を変更する場合の注意点
- マンションでトイレのリフォームをする場合の注意点
- トイレのリフォームですべき給排水工事
- トイレのリフォームですべき電気工事
- トイレのリフォーム|見積の見かた
について、わかりやすく説明していきます。
ぜひ最後まで読んで、後悔のないトイレリフォームにつなげましょう。
まずは、リフォームならではのトイレプランの考え方、注意点について説明します。
トイレのまとめ記事はこちら。
トイレのリフォーム【完全ガイド】便器選びから注意点!まとめ記事
おしゃれなリフォームをするために、絶対必要な5ステップをまとめた記事はこちら。
リフォームをおしゃれに!絶対にやるべき5ステップをプロが解説
10万円以上のリフォームをする人が、必ず知っておくべき内容をまとめた記事はこちら。
【10万円以上のリフォームをする人】絶対知っておくべき5つのこと|プロが解説
トイレリフォームの注意点①プランの考え方


出典:TOTOのトイレ
トイレリフォームの注意点、1つ目はプランの考え方。
リフォームならではの考え方で、トイレプランを検討していきます。
トイレをリフォームする場合、現状のトイレの使い勝手をもとに「新しいトイレをどうしたいか」を考えるとスムーズ。
今のトイレについて不満に感じていることを、考えてみましょう!
よく耳にするトイレの不満をあげてみます。
- トイレが狭い
- トイレが寒い
- トイレの床が汚くなっている
- 便器の掃除がしにくい
- 必要な場所に手摺がない
- 紙巻器、タオル掛けが汚い
- トイレに収納がない
- 出入口に段差がある
リフォームをするときには、現状の不満点をあげることで「どうリフォームしたらよいか」を考えるとわかりやすいのですが、いざ考えるとなかなか不満点が思い付かないもの。
そんな人のために書いた記事がこちら。
リフォーム内容の決め方|現状の住まいが把握できるチェックリスト
1つずつ解決策を考えていきましょう。
よくあるトイレの不満①狭い
よくあるトイレの不満、1つ目はトイレが狭いこと。
トイレが狭いということについては、単純に「部屋の大きさを広げるリフォームする」という解決策もありますが、今の部屋の大きさのまま便器を小さいものに交換することによってトイレの狭さを解消することも可能。
最近の便器は昔のものと比べ、だいぶ小さくコンパクトになっています。
タンクレス便器を選べばさらにコンパクトに!

出典:リクシルのトイレ
手洗い付きタンクからタンクレス便器に交換する場合は、便器の他に手洗器をつける必要があります。
コンパクトな手洗い器もあります!

出典:TOTOのトイレ
よくあるトイレの不満②寒い
よくあるトイレの不満、2つ目はトイレが寒いこと。
トイレは位置的にも寒いことが多い空間。
「トイレが寒い!」という声はかなり多く耳にします。
寒さ対策としては、以下。
- 窓に内窓をつける
- 暖房付きの便器をつける
- 暖房用のコンセントを新設する
- 床に断熱材を入れる
これらの対策の中から、今現在できていない寒さ対策があれば検討してみましょう。
1つずつ説明していきます。
窓に内窓をつける


出典:リクシル インプラス
現在の窓ガラスが単板ガラスで断熱が不十分な場合は、内側に追加するサッシ「内窓」「インナーサッシ」を新設することで寒さが和らぎます。
内窓についてのくわしい記事はこちら
現状のサッシがどういう形状なのかによって、内窓がつけられるかどうかが決まりますので、リフォーム会社によく相談してみてください。
暖房付きの便器をつける
便器に暖房機能がついている商品が各社から出ています。
暖房用のコンセントを新設する
筆者のおすすめは、暖房機能付き便器よりも、暖房用コンセント増設!
なぜかというと、便器に余計な機能をつけるより、暖房のためだけに作られた暖房器具を買ったほうが効果も高いし費用も安く済むから。
しかも暖房器具が壊れたら暖房器具だけを交換すればいいし、便器の寿命がきたら便器だけを交換すればいいのもシンプル。
暖房機能と便器、ウォシュレット機能の両方を合体させることで、メンテナンスが複雑になる可能性も。
暖房器具は基本的に大きな電力を使います。
ウォシュレットの電源とは別に専用の電源を新設しましょう。
これはトイレリフォームのタイミングでないと、なかなかできない工事です。
床に断熱材を入れる
トイレの床下だけではないですが、戸建て住宅の場合、床下から寒さが伝わってくることが多くあります。
ですので、1階の床下すべて(玄関や浴室下をのぞく)に、断熱材を追加することで、寒さがグッと和らぐことも。
よくあるトイレの不満③床が汚れている
よくあるトイレの不満、3つ目はトイレの床が汚れていること。
トイレの床は材料の選び方によって、汚れやすさがまったく違います。
トイレの床については、詳しく別記事を書いていますので、あわせて読んでみてください。
よくあるトイレの不満④便器の掃除がしにくい
よくあるトイレの不満、5つ目は便器の掃除がしにくいというもの。
「便器の黄ばみや黒ずみが掃除をしても取れなくなってきた」
などの悩みをよく聞きます。
最近の便器は汚れがつきにくく、とても掃除がしやすくなっています。
便器については、各便器メーカーごとの記事、比較記事などの記事を書いています。
TOTOのトイレ|リフォームのプロがイチオシする便器メーカー
リクシルのトイレ|掃除しやすい形状が魅力!リフォームのプロが解説
パナソニックのトイレ|アームレストが便利!リフォームのプロが解説
よくあるトイレの不満⑤必要な場所に手摺がない
よくあるトイレの不満、5つ目はトイレ内の必要な場所に手摺がないというもの。
今の便器をつけたときには必要なかったけれど、新しいトイレには手摺があった方が便利な場合があります。
「手摺」というと、「まだそんな年寄りじゃない」とか「まだまだ先でいい」とか言われることも多いですが、手摺をつけるためには壁内部に下地を入れる必要があるので、今回のリフォームをするタイミングでつけてしまうことで将来の大掛かりな工事をしなくて済むことも。
それに年配の人でなくても、ちょっと腰が痛いときや足が痛いときなどには、手摺があると本当にラク。
今は「THE 手摺」というものばかりではなく、紙巻器と一体になったものや便器と一体になったものもあります。

出典:TOTOのトイレ
紙巻器上の棚も体重をかけてもいいようにできています!

出典:パナソニックのトイレ
よくあるトイレの不満⑥紙巻器、タオル掛けが汚い
よくあるトイレの不満、6つ目はトイレの紙巻器やタオル掛けが汚れてしまったこと。
紙巻器やタオル掛けも、便器と同じ年数だけ使っているので、同じように汚れます。
トイレリフォームのタイミングで一緒に交換しましょう。
たまに、あまり汚れていないからと、紙巻器やタオル掛けを既存のままにされるお施主様もいらっしゃいますが、筆者はおすすめしません。
今は古いトイレだから汚れていないように見えるものも、新しくなったトイレでは確実に薄汚れて見えます。
紙巻器もタオル掛けは数千円の備品です。
ぜひ交換しましょう!
よくあるトイレの不満⑦収納がない
よくあるトイレの不満、7つ目はトイレに収納がないこと。
トイレに収納したいものって、けっこうありますよね。
予備のトイレットペーパー、お掃除用具、生理用品、など。
そういったものを収納したいけれど、スペースがないという悩みをよく聞きます。
そんなときにおすすめなのが、このコーナー収納や埋込収納。

出典:TOTOのトイレ

出典:ウッドワン 壁厚収納
狭いトイレ空間でもしっかり収納できます!
よくあるトイレの不満⑧出入口に段差がある
よくあるトイレの不満、8つ目はトイレの出入口に段差があること。
出入口に段差がある場合、その段差を解消するのは「トイレリフォームをするタイミング」がベスト。
敷居だけが高くなっている場合や、廊下よりもトイレの床が下がっている場合などは、ほとんどの場合で段差をなくしたフラットな床にすることが可能。
とはいえ、床下を排水管のスペースとして必要としている場合や、階段下のトイレなどで天井が低い場合などは、段差を解消することが難しいケースも。
「できればフラットにしたい」という要望をリフォーム会社に伝え、可能かどうかを判断してもらいましょう。
トイレリフォームの注意点②リフォーム便器について

出典:TOTOのトイレ
トイレリフォームの注意点、2つ目は、リフォーム便器について。
リフォーム便器、リモデル便器などといわれる、リフォーム専用の便器があります。
画像のように排水管の位置を排水アジャスターで調整し、排水管の移動工事などを省略できる便器です。
給水管の工事も不要となることが多いので、リフォーム費用はグッとおさえられます。
ですが、筆者はリフォームに長く携わっている経験上、リフォーム便器はおすすめしません。
なぜなら、「詰まった」というクレームが多いから。
リフォーム便器は構造的な詰まりやすさを解消するため、水量を通常の便器より多くしていますが、それでもやっぱり詰まったという声をよく聞きます。
費用はかかりますが、できれば、後述する給水管の交換と一緒に、リフォーム便器ではない便器で施工したほうが安心です。
トイレリフォームの注意点③トイレの位置変更
トイレリフォームの注意点、3つ目はトイレの位置変更。
リフォームでトイレの位置を変更する場合、排水管の経路がポイントとなります。
戸建ての場合、トイレの便器から外部のマスまでを十分な勾配をとった排水管が設置できるかどうかで、その位置に便器を設置できるかが決まります。
今の便器はただでさえ節水型で流れが悪いのに、その上排水管の勾配が足りないなどとなると、排水管に汚物が滞留する時間がより長くなってしまいます。
トイレリフォームの注意点④マンションのトイレリフォーム
トイレリフォームの注意点、4つ目はマンションでトイレのリフォームをする場合について。
マンションでのリフォームは、戸建てとは少し違う性質があります。
別記事を書いていますので、あわせてごらんください。
トイレリフォームの注意点⑤給排水工事
トイレリフォームの注意点、5つ目は給排水工事について。
トイレをリフォームするタイミングで絶対にやるべきなのが、「給排水管の確認」
既存の給水管がライニング鋼管など、菅の一部に鉄を使っているような管だと鉄部分がサビて劣化している可能性が。
塩ビ管や架橋ポリエチレン管などに交換しましょう。
リフォームが終わってしまってから給水管の劣化による水漏れに気づき、リフォームをやりなおしたという怖い話もよく聞きますよ。
排水管や外部のマスについても汚れていないか確認し、汚れているようなら洗浄をしましょう。
トイレリフォームの注意点⑥電気工事
トイレリフォームの注意点、6つ目は電気工事について。
電気工事でも、トイレのリフォームをするタイミングでやっておいたほうがいい項目があります。
- ウォシュレットの電源にアースがついているかの確認
- 暖房用の専用コンセント
- 換気扇新設
1つずつ説明します。
ウォシュレットの電源にアースがついているかの確認
古いお宅だと、トイレにあるコンセントにアースがついていないことがよくあります。
ウォシュレットは水まわりで使う製品ですから、電源にはアースが必要。
もしアースが今ついていない場合は、トイレのリフォームをするタイミングでアースを新設しましょう。
暖房用の専用コンセント
先にもお話しましたが、トイレが寒いときのため、暖房器具をつけられるようコンセントを用意しておくと安心です。
暖房器具は大きな電気容量を必要としますので、ウォシュレットとは別の専用コンセントを新設しましょう。
換気扇新設
古いトイレには、換気扇がついていないことが多々あります。
真冬に窓を開けるのも寒いので、換気扇があったほうが便利。
トイレのリフォームのタイミングで換気扇を新設すると費用の無駄がありません。
トイレリフォームの注意点⑦見積の見かた
トイレリフォームの注意点、7つ目は、トイレリフォーム見積の見かた。
トイレのリフォームだけではありませんが、見積は総額の安さだけで決めると、必要な工事が含まれていなかったりということも。
筆者がトイレのリフォームでおすすめしている、
- 床下地合板の上張り
- 劣化した給水管の交換
- その他の電気工事
などを、最初から見込んで見積に入れてくるリフォーム会社と、必要最低限の内容だけを見積に入れた会社を比べたら、必要最低限の内容を見積した会社の見積が当然安いですよね。
- 「きちんと必要な工事内容を提案してくれているか」
- 「無駄に高い見積になっていないか」
などをしっかり確認した上で、見積の比較をしましょう。
見積の見かたについては別記事を書いています。
リフォーム会社の選びかた|見積金額だけで決めるのはトラブルの元!
トイレリフォームの注意点まとめ
トイレのリフォームをするときの注意点について説明してきました。
単純に便器と内装を新しくするだけのトイレリフォームをしてしまうと、「あの工事もやっておけばよかった」などの後悔につながることも。
トイレのリフォームをするタイミングだからこそできる工事についてもたくさんお話しています。
すべてを今回のトイレリフォームに採用する必要はありませんが、自分の家のトイレに必要な工事内容はどれかをしっかり検討し、後悔のないトイレリフォームができるよう応援しています!
トイレのリフォーム【完全ガイド】便器選びから注意点!まとめ記事
リフォーム内容の決め方|現状の住まいが把握できるチェックリスト4
リフォーム会社の選びかた|見積金額だけで決めるのはトラブルの元!
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なぜその2社がおすすめかを知りたい人は、別記事で詳しく説明しているのでこちらをどうぞ。
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